大人をたよることも、
先週のことです。
朝、いつも班長の6年生を先頭に歩いてくる班が、
その日は班長ではなく、
2年生の女の子が一人走って私のところに向かってきました。
何かあったな。
すぐに駆け寄って話を聞くと、
「班長さんが、班長棒(黄色い横断旗)を川に落として取りに行ってます。」
とのこと。
見に行くと、残りのメンバーが口々に、
「班長が、班長が・・・。」
と言っています。
きっと、メンバーを先に行かせて自分だけでなんとかしようとしたのでしょう。
現場まで行くと、
その班長さんは、川からあがってきてランドセルをかつごうとしていました。
手にはしっかり旗が握られています。
川といっても、
高さはゆうに1mはこえているコンクリートのU字溝です。
幸い水量は少なく5~6㎝ぐらいの深さの水がたまっています。
降りて旗をとろうとすれば靴は当然ぬれます。
また、降りる時より登る時の方がたいへんです。
しかし、身軽な班長さんです。
ひょいと飛び降りて、
両手両足で側壁をしっかりささえて登ってきたのでしょう。
そして、自分の不注意だから自分で処理すべきと考えたのでしょう。
責任感の強い班長さんです。
「よくとってこられましたね。たいへんだったでしょう。靴はぬれたでしょう?」
というと、小さくうなずくので、
「落とした時はしまったと思ったでしょ?でも、自分で・・・と思ったんでしょう?」
というと、
班長さんのかわいらしい大きな目からポロっと涙が落ちました。
思わず頭をなでながら、
「自分でなんとかしようと思わずに、
時には大人をたよるってことも頭に入れといてね。」
というと、今度はポロポロっと涙が落ちました。
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なんと班長さんは、
あの高いU字溝に、
片方の足だけで飛び降りたのです。
そして、ケンケンで旗をひろったそうです。
ぬれたのは左足だけです。
もちろん、ぬれた靴は日当たりの良い場所に、
乾かしてあげましたとも。ええ。